2008年11月10日

源氏物語

源氏物語 (紫式部) 中井和子著 21世紀に読む日本の古典 ポプラ社

 有名な物語ですが、読んだことがありません。以前読んだ「奥の細道」同様に子どもさん向けのシリーズからこの1冊を選択しました。内容は、長い物語のあらすじとか要約になっています。
 10月下旬に京都大宮御所を見学しました。源氏物語絵巻を本とか博物館で見たことがあるのですが、絵に描かれているような壁のない部屋が奇異で、絵を見やすくするためにそう書いてあるのであって、実際にあった建物ではないと思っていました。ところが、京都御所内に清涼殿(せいりょうでん)という建物がありまして、源氏物語の絵と同じ構造だったのでたいへん驚きました。写真は下のとおりです。屋外に向かって壁はなく、すだれのような御簾(みす)というものが取り付けてありました。風通しをよくするための夏向けの構造だと思うのですが、冬はたとえばお布団が凍るぐらい寒かっただろうにと推測するのです。









 この本の30ページには紫宸殿(ししんでん)の文字があり、これもまた京都御所内にありました。写真は下のとおりです。たいへん美しい。さらに、日曜日のNHK大河ドラマ「篤姫」でときおり紫宸殿の映像が流れてびっくりします。





 40ページにある「野の宮」は京都嵯峨野にある野々宮神社のことでしょうか。こちらもまた今年の7月に訪れたところです。写真は下のとおりです。秋篠宮ご夫妻が訪れたというような記事の看板がありました。縁結びの神さまなのでしょう。



 光源氏と彼の周囲にいた女性たちの物語、そして宇治十帖という彼の死後の物語です。この本を読んでいると、静かになりたい気持ちになります。テレビも新聞も雑誌もない世界。電気もガスも水道も電話もない世界。昔、たしかにあったそういう世界で、静かに過ごしたい。その当時の生活のありように興味をもちました。自由奔放な性風俗があったと推測しました。1000年前の物語です。印刷機とかコピー機があるわけではないので、写本で流通していったのでしょうが、その過程で内容が変化したことも考えられます。その当時のひとたちによる合作の部分もあるでしょう。太陽とともに目覚めて、月明かりに照らされながら眠りにつく。戦(いくさ)という争いはみられない。生活苦の話もない。恋は秘密めいたもの。だから異性にあこがれる。宇治十帖の部分は壮大な人間ドラマです。女性はみななぜ尼さんになりたがるのだろう。この物語の底には宗教が流れています。また、運命もからんでいます。

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